将棋指しとほうき星

「永遠の初級」の称号は私のものよ

山男子

天気が良かったので富士山が見えるかも、という山に登ってみる。で、どれが富士山ですかね?分からぬ。近くにいた山男子に聞いてみる。「あっちの方なんですけど。岩に登った方が…」とヒョイヒョイっと登ってゆく。何という身軽さ。忍びの者か?!「ちょうど雲に隠れちゃって今日は見えないですね」と。また来るわ。ありがとう。

分からない事は自分で調べるのもいいけど、知ってる人に聞くのもいい。その人を通したその世界を教えてくれる。「日によって大きく見える日がある」「朝早くやもう少し寒くなってからの方が見えやすいかも」と。そうなのか。ありがとう。

「僕は今からあの鉄塔まで行くんですけど」と指差す方を見る。あれですかね?!遥か遠くに小さく見える鉄塔がある。「前回行けなかったんで今日2回目のチャレンジです」と。2週間はかかりそうな距離ですが、夕方までにたどり着くのが目標ですか。何だか次元が違うようね。山登り5段ぐらいですかね?超初級なのに話しかけちゃってすみません。将棋男子もすごいけど、山男子もすご。みんなすご。

将棋の練習と山登りは何となく似てる気がする。孤独で不安の中をさ迷う日もあれば、一緒に楽しめる仲間や導いてくれる人との出会いもある。次はどんな景色が待っているのだろう。私は私のペースで一歩一歩登ってゆく事にする。

                    りこは