将棋指しとほうき星

「永遠の初級」の称号は私のものよ

穴熊のくずし方

職場近くの山にりすがいるとの目撃情報を得たので行ってみたけど会えなかった。ほっぺにいっぱいどんぐり詰め込んでいるところを見たかったのに…。やはり棋力が足りないせいかと思う。

穴熊を山に例えたら、まず登山口がわからない。「あのー、どっから登ったらいいんですかねー?」と周りをウロウロして、金や銀で無理やり突破口を開けようとすると駒を取られて更なる鉄壁で囲われる。山、でかくなりましたけどー?!

穴熊のくずし方」だけで垂れ歩、突き捨ての歩、たたきの歩、継ぎ歩、と4種類の歩が出てきた。全く同じものなのに、使い方で名前が変わるのか。「ほれっ」と突き出しのカレー、「もうちょい多めで」と継ぎ足しのカレー、一晩寝かせカレー、みたいな感じの認識でよろしいでしょうか?

コンクリート壁のように頑丈な造りに見えるけど、桂、香、歩で崩していけるとは…。美濃囲いを崩すより材料が手軽に手に入るではないか。横からの攻め方、縦からの攻め方。なるほどね。穴熊さん、「あなた」の構造と性格は何となく理解できたわ。

どんな人にも囲いにも長所と短所がある。何が得意で何が苦手なのか。一人一人個性を認めて「あなたらしさ」を最大限に生かせる将棋を指せるようになったら、りすにも会えると思う。

                    りこは

非常に強い台風

くっ…。このままでは日本沈没の危機ではないか?関東に住む姉から「スーパーに行ったら水とガス缶コンロとパンが棚から無くなっていた」とお昼頃ラインが来た。お昼から無いのかいっ。みんな刻一刻と迫り来る恐怖から命を守ろうとしているのね。

非常に強い台風に太刀打ちできるのは、非常に強い将棋指ししかいないわね。今こそ団結の時よ。しかしあなたたちは孤高の将棋指し…。決して群れたりはしない。そうね、これは…、そう、団体戦よ。あなたたちは日本代表、いえ、地球代表よ。居飛車振り飛車で仲間割れなんてしないのよ。お互いを信じ、自分の全ての力を出しきるの。

力はね、大切なものを守るためにあるのよ。自分より弱いものを傷付ける事に使ってはいけないよ。日本中の将棋指しがあなたたちを援護する。私も微力ながら協力させてもらうわ。ぺち。

棋力をどうやってビームに変えるか知らないけど、非常に強い将棋指しならそれぐらいの事できる気がする。ビシッ!!!ピカー❇。みんなが今日まで培ってきた筋力や徳や、詰将棋棋譜並べというコツコツした努力が、きっと今、日本を沈没から救うはずよ。みんな、何があっても生き延びるのよ。無事を祈ってる。

                    りこは

どれも大事

「美濃囲いのくずし方」で止まっている。手順が覚えられない時は盤駒を使って実際に駒を動かしてみると良いと聞いたので、素直な私はやってみる。なるほど…。全く頭に入りゃしないわ。体が覚えるまで繰り返すしかなさそうね。

レシピは載っている。その通りに料理すればいい。その前に「持ち駒 角角銀」とか、永遠の初級の称号を持つ私には材料の調達方法が分からないのですが?「まずジャガイモ、人参、玉ねぎ、肉をスーパーに買いに行きます」ってルーの裏に書いてある「カレーの作り方」にも載ってないもんね。「どうにか材料を手に入れたとして」が前提なのね。

将棋盤を上下ひっくり返して、私が美濃囲いを崩される側でやってみる。7一角こわっ。ここに角が来たら「もう詰んでますよ」状態では?逃げても止めても取っても、どうあがいても逃れられない運命なのか。「美濃囲い解体ショー」だわ。手際良く見事にさばかれてゆく。

そうなる前に未然に防ぐしか方法がないのだろう。角を取られない事、銀を取られない事、桂を取られない事、一段目に竜がにらんでいない事。美濃を守りたい時、それが1番大事。

                    りこは

美濃囲いのくずしかた

「私のこの美しい恋の美濃囲いが崩せるかしら?」と一生懸命ペシペシやって完成させてたのに、「カレーの作り方」より事細かに崩し方が載っているではないか。囲いが崩れてゆくのは、花が散っていくのを見るように切ない。私には何もできないのよ。

カニ囲いと美濃囲いしか覚えていない私にとって、「ちょっと、こんなに分かりやすく急所を説明するのやめてもらえます?」案件だけど、矢倉や穴熊も載っているという事は、他の囲いも全部崩し方が解明されているという事なのか。それならフェアね。私の対局相手が「美濃囲いの崩し方を知りませんよーに!!」と祈るだけだわ。

と、同時に、私が相手の囲いの崩し方を覚えている必要がある。という事ね。スタンダードなカレーだけならまだしも「今日はグリーンカレーにしましょう」「ナン焼いちゃう?ナン」「本格的にスパイスから調合してみる」とか、いろんなバージョンがあるではないか。取る、受ける、逃げる、どの駒がどう動いてきても対処できるよう、全てのレシピが頭に入っているというのか。将棋指し、グルメなの?

美濃囲いにも急所がある。それを私がちゃんと知っておいてあげられているか。欠点を認めてあげられているか。「オッケー、7一は私が守る」と。そんな信頼関係が結べたら、秋のように少しずつ、愛も将棋も深まってゆけるのだろうな、と思う。

                    りこは

積極的に攻めて相手にスキをつくれ

「ごはん行こうよー!」ペシッ。(捨て駒で相手玉の逃げ道をふさぐ)「映画行こうよー!」ペシッ。(タダ捨てで玉を危険地帯に誘い込む)「動物園行こうよー!」ペシッ。(大駒を切って詰みにする)

「ちょ、そんなぐいぐい来られたらスキになってまうやろ~///」っていう爽やか青春ラブストーリーが終盤で繰り広げられてるなんて知らなかった。「攻め始めたら一気に攻める。」前の将棋教室の先生が言っていた。しかし相当な押しの強さではないか?相手がひるもうが逃げようが押しの一手。将棋男子って意外と強引なのか。恋も?恋も攻める派?

「大駒を切る」って何かカッコ良くない?私もやりたい。例えば「お釣りはいいわ。アイスでも買いなさい」みたいな?「クレープ?イチゴもバナナも生クリームもチョコレートも全部入れちゃって」みたいな?やりくり初段は、そんな潔さ、気前の良さに慣れておらぬ。もったいなくてできないっ。

飛…、飛…、飛車をもらってしまってもよろしいのでしょうかー?!神なの?!と、ありがたく頂戴すると罠に引っ掛かるという仕組みか。人の弱みにつけこんで。卑怯だぞ。それ以上のものが手に入るという計算が見えているからこそ、大駒を切るという大胆な手で攻められる。何とも確信犯的頭脳ね。

恋もそれぐらい読めたら攻めていけそうね。

                    りこは

王手放置

えっ?んー。いやしかし…。でもどう見ても…。ん?もしや馬じゃなくて竜か?ひょいっと裏を確認。「あっ、俺とした事がー!」先生、大丈夫かい?夏の疲れが出てくる頃だから。そんな訳で、今日の6枚落ちは先生の王手放置で勝った。

今日は前の将棋教室で大会があったので元気なら行きたかった。強い人達の中で一緒に指せる事は滅多にないから。しかし強い人達と同じ部屋にいるとひどく体力を消耗する。力と力がぶつかり合うエネルギーの風圧に吹き飛ばされないようにしがみつく。あちらこちらで飛び交う砲弾の流れ弾が当たりまくる。そんな訳で病み上がりで体力落ちてる私は諦めた。強い人達こわっ。熱、ぶり返すわ。

大人の階段を確実に下っている大人のレディなので体力回復に時間のかかる事かかる事。食欲がないが何か食べねばならぬ。入る量はいつもの半分。なるべく胃腸に負担がかからず消化吸収が良く栄養価の高いもの。さて、何を入れるか。シュークリーム。えっ、それどうしても食べたい?今、必要?!あんパン。食べてもいいけど本当にそれでいい?

豆腐、玉子、ささみ、野菜のスープなど、たんぱく質やビタミン類みたいな手をビシッ!と指せたら強くなれるんだろうな。シュークリームやあんパンはちと甘いのだろう。今、1番効果がありそうで回復への最短距離の一手を選ぶこと。将棋もそういう事なのだろうか。そんな事を考えながら「おかゆと梅干しうまっ」と回復への一歩を噛みしめている。

                    りこは

祝⭐一周年

ブログを始めて1年が経ったらしい。読んで頂いている皆さん、いつもありがとうございます。将棋の成長ストーリーになるはずが、持ち前の理解力のなさ、人並み外れた飲み込みの悪さ、天性の将棋のセンスのなさが存分に発揮されてまだここにいます。

それでも1年で6枚落ちと2枚落ちの定跡、四間飛車と美濃囲いを覚えた。最初の形だけね。後半の指し方はこども将棋で勉強中。「5三金直」って「ごーさんきんすぐ」って読むんだね。「ちょく」ではない。「歩兵」も「ふへー」じゃないし「ほへー」でもないんだぞ。ビシッ!と指すのではなく、その駒はマシュマロ製かい?ってくらいふわっと指すのがソフト指しじゃないんだぞ。

攻略本を半分まで読んだけど、牛かよってくらい何度も噛み砕き飲み込み直さないと消化吸収してくれないようだ。それでも先生の6枚落ちに1回だけ勝てたから良しとする。2回負けたけど1回勝てた。

ちょいちょい挫折しながらも、よく辞めずに続けて来れたな。初級から9級になるまで、何年かかるんだろ。いい加減みんなイライラしてきてるのでは?いや、見守ってくれてると信じてる。これからも、よろしくお願いいたします。

                    りこは