将棋指しとほうき星

「永遠の初級」の称号は私のものよ

一合目

左4六銀戦法の定跡を一通り覚えた。自分で駒を動かそうと思うと、その場所を特定するのに精一杯でその前に何がどう動いたのかすでに記憶がない。駒が動いていってくれるとやっぱり覚えやすい。

問題を解いていく。30問。定跡の次の一手は全部正解。定跡を外れた問題は全部不正解。表面上は覚えたけど、深い意味はさっぱり解っていないようね。説明も読んでみたけど、最後の方は頭から煙が出てきそうだった。頭の電源落ちるかと思った。

子ども向きの将棋本ならもうちょっと言葉が柔らかい表現なのだろうか。「穴熊かどうか打診する」を「あのー、今日は穴熊で来たりしますかねぇ?と探りを入れてみよう」とか。「玉の整備に掛かる」を「玉くんを安全な所へお引っ越しさせて守りの駒を付けよう」とか。「角頭を目標に決戦に出る」を「ますば彼、角よ。弱点は頭。あそこから崩していきましょう」とか。

言葉が固くて難しいけど、ざっくりした流れは分かった。いくつか謎も解けた。ビシバシ感も伝わってきた。十分ではないか。グッジョブ、私。将棋指しの頭の中はいったいどうなっているんだろ。将棋を知っていく度に深まっていく謎もあるわね。

                   りこは